何年ぶりかで新宿へ遊びに行きました。
お目当ては「木組み博物館」!
私は簡単な木工しかできませんが、伝統的な木組みは見ているだけでも美しいですよね。
よくTOKIOの山口達也さんがほぞを掘っていますが、よくできるなあ~と感心してしまいます。
木組み博物館とは?
土曜日の東京新聞では「東京どんぶらこ」というコーナーがあります。
東京の隅々を紹介するこのコーナーで、この日は新宿区の箱根山を特集していました。
新宿に山?聞いたことないなあと思いながら見てみると、左上に「木組み博物館」の文字が。
木組みと言えば、宮大工さんの高度な伝統技術で、五重塔を釘一本も使わずに建てるという、あの技です。
昔の家具は鏡台やたんすなども釘を使わずに作っていたそうですから、木組みは建物だけでなく、日常にも溶け込んでいた技術でした。
私も一度だけ、日曜大工講座でほぞ組みの椅子を作らせてもらいました。
ほぞの設計から組み立ての順番まで、何もかも初めてでとても理解できませんでしたが、大工さんの技に終始感心していたことだけは覚えています。
ほぞ穴とほぞの組み立て方を立体的に理解できないと、とてもできない技術だなあと思いました。
その時を思い出し、勉強のためにもぜひ行ってみたい!と、だんなさんを誘って行ってきました。
入り口からいい雰囲気!
東京メトロ東西線の早稲田駅の改札を抜けて地上へ。
早稲田通りに沿って坂を上がると、間もなく看板が見えてきました。
入り口の扉を開けて入ってみると、いい感じのオブジェや数種類の切り株が出迎えてくれます。
その上、かわいい歌が流れていました。
これは「木組みの歌」というらしく、受付の矢印と一緒に壁にかけられています。
受け付けは3階なので、エレベーターに乗ります。
エレベーターを降りて左手、左手と進むと受付があります。
そこでは館長さんがいらして、受付表を記入した後、木組み博物館のことを簡単に教えてくださいました。
この博物館は、館長の谷川さんが個人的に保管していた木組みを、一般の方にも見てもらいたいと公開しているものだそうです。
館長さんは元一級建築士として働いていらした方で、伝統技術を残したいと倉庫に保管していたんだとか。
博物館の中でも、大工さんに改めて作っていただいたものと一緒に展示しているそうなので、ゆっくり見てくださいとおっしゃいました。
この日は珍しく土曜日の開館日ということで、お子さんや女性などがいらしていてにぎやかな様子でした。
室内でまず感じるのは、部屋の空気と香りです。
とってもいい香りで、まるで森の中にいるような気持ちになります。
室内にはたくさんの木組みが展示されているので、ひとつひとつの木が香りを出し、部屋の空気をきれいにしているように感じます。
コンクリートの室内なのに、森林浴をしているようです。
本格的な木組みの展示物
まず、最も大きな展示物に目を奪われます。
遠くまで旅行に行かないと見られないような、大きな屋根の木組みが目の前にあるんです!
これは薬師寺の三重塔の模型とのことで、天井まで届く大きさがあり、迫力満点です。
驚いたのは、館長さんが「触ってください」とおっしゃったこと。
室内の展示物はすべて、直接触れていいとのことなんです。
三重塔の木組みは、大きな木が必要になるために、日本産の木では作れなかったそうです。
しかも一種類の木では作れずに、数種類を組み合わせて作ったということでした。
そのため木の感触も少しずつ違い、触れることで感じることもあるということです。
触ってみると、確かに色合いが少し違ったり、やすりのかけ方も違うので、ざらざらしている場所もあるなど、木の表情が感じられます。
お話の中で教えていただいたのですが、この巨大な木組みは、11月になると解体、組み立てをするそうなんです!
その時に希望すれば私たちも参加できるということですよ!
巨大な屋根の内部構造を直接見られる、めったにない機会ですね(^▽^)
手に取れる展示物
他にも木組みの展示物がたくさんありました。
以前テレビで日光東照宮の修理の様子を見ましたが、その時にも紹介していたような屋根の構造がミニチュアで置いてあります。
根元が細くて、上に行くほど広くなる。
こんな構造を考えた昔の人は素晴らしいと思いますよね~
この構造だからこそ、数百年たっても地震に倒れることがないんですね。
他にもほぞ組みの構造が置いてあるので、ひとつひとつ分解して楽しんでしまいました。
かなりしっかりと組んである物は、分解するにも一苦労なので、だんなさんにも手伝ってもらいながら見てみます。
特に面白いのはこの写真の小さな木組みです。
何がおもしろいかというと、この両端の二つの木組みは、茶色い部分を単純に押したり引いたりしただけでは外れないんです!
それもそのはず、中央が細くなったり太くなったりしているので、簡単には外れるわけがありません。
館長さんに聞いてみると、図解入りで説明してくれましたが、まるで知恵の輪のように難しく、すぐには理解できませんでした。
木組みが大工さんの知恵の結晶であることが、この小さな木組みを見てもわかりますね。
この見本は接着してあるため外れないそうですが、うまく動かすことで、茶色い部分はするっと外れるそうです。
写真を見ただけで、中の構造が思い浮かぶ方は、木組みの才能がありますね!(^▽^)
この木組み自体、作るのがとても高度な技を必要とするらしく、大工さんに頼んでも、時間がなくてなかなか作ってもらえないんだとか。
できたらぜひ自分の手で外してみたい!と思いました。
第二展示室
木組み博物館は2室からなり、受付のある第一展示室の正面に第二展示室があります。
そちらは木組みだけでなく、漆喰壁や漆などの伝統的な技術を紹介しています。
迫力のある鬼瓦までありましたよ。
ここの目玉は縄文杉のベンチ!
立派なベンチで一休みして、木の香りにうっとりしました。
私が好きだったのは、一番奥にある日本の茶室の模型。
ハワイへの輸出用とのことで、内側まで精巧に作られていました。
ミニチュア、いいですよね~(^^)
木組み博物館の基本情報
木組み博物館 KIGUMI MUSEUM
通常開館日:火、水、木曜日 10:00~16:00(土・日・祝日の不定期開館あり)(年末年始の休館日あり)
入館料:無料 *10名を超える団体の場合にはご予約下さい
アクセス:➀東京メトロ東西線 早稲田駅2,3b出口より徒歩4分⇒早稲田通りに沿って坂を上ります。穴八幡宮の看板が見えるとすぐです。初めての場所でしたので、徒歩6~7分くらいに感じました。
➁JR高田馬場駅 早稲田口前より早大正門行きバス5分 西早稲田、または馬場下町下車 徒歩2分⇒JR早稲田駅からでも天気がよければ歩ける距離です。15分くらいで到着します。
➂東京メトロ副都心線 西早稲田駅2番出口より徒歩10分
色々なイベントも
木組み博物館では様々なイベントも開催しています。
「木組みの森劇場」では毎月読み語りを行っているようで、9月は平家物語「那須与一」とのことです。
他にも講演会などもあるようなので、定期的に通うと楽しそうですね。
博物館のたね
この博物館は「博物館のたね」として、一緒に博物館を育てる仲間を募集しているので、私も早速仲間に入ってきました♪
たねを一粒いただくと、名前を書いて丸太に貼ることができます。
この博物館は館長の谷川さんの力で成り立っているものですが、伝統的な技術をこれほど近くで見られる場所は他にありません。
仲間をたくさん増やして、ぜひとも長く続けていただきたいですよね。
最後に
最後に館長さんが新宿穴八幡宮の流鏑馬のパンフレットをくださいました。
穴八幡宮は、駅から歩いてくる途中にありました。
こちらは外国の方にとても人気があるそうで、見学も大勢見えるそうです。
本当に20年ぶりの新宿でしたが、思いがけず森林浴を楽しむことができ、伝統的な木組みを直接触ることができて大満足です。
次は日本の伝統的な流鏑馬を楽しみに、また来たいと思います。
みなさんも新宿の穴場、森林浴もできる木組み博物館を楽しんでみませんか?
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