2019年7月19日公開の「天気の子」は、待望の新海誠監督作品ということで早速映画館に行ってきました。夏休みに入ったこともあり、売店はごった返していました。
イオンシネマの中はそれほど席が埋まっているわけではなく比較的空いていました。と思いきや、開始間際になって小学生らしいグループがドヤドヤと入ってきて急ににぎやかに。夏休みだなあと感じつつお待ちかねの時間です。
「天気の子」の内容・あらすじと個人的な感想です。基本的にはネタバレなしですが、一部ネタバレと感じる表現もありますので一切読みたくないという方はご遠慮ください。
「天気の子」あらすじ
病院のベッドで眠る女性を見つめる一人の少女は、雨の中に一筋の光を見つける。光に誘われるように外へ出た彼女は強い強い願いを込めて光の降り注ぐ鳥居をくぐった。
場面は変わり、一人の少年はフェリーの上である男性と出会う。初めて東京に出てきたらしいその少年は仕事を求めて奮闘するがうまくいかず、彼を頼ることになる。
少年の名は帆高、男性は須賀。オカルト系の記事を制作している須賀の会社で働き始めた帆高はすぐに東京での暮らしに慣れていった。
ある時帆高は以前知り合った少女が怪しげな男たちに連れていかれるのを見かける。とっさに彼女を助けた帆高だが、彼女が天気を操れる能力があることを知ると、その力をもとにネットで仕事を受けることを提案する。
家出少年”帆高”と晴れ女”陽菜”、そして陽菜の弟”凪”との新しい毎日は順風満帆に思えるのだが、その先には大きな代償が待っている…
テンポの良さと絶妙な音楽
「君の名は」以来の新海誠監督作品ということでいやが上にも注目度が高いため、期待値はかなりのものです。そんなハードルを軽々と超えてくれる、気持ちの良い作品でした!
前回と同じくRADWINPSを音楽に起用したということで「また同じような印象なんだろう」と思っていました。確かに作りは同じような印象ですが、マイナス面は全くなく、それどころか観た後にはさわやかな好印象だけを残してくれる絶妙な作りになっていると感じました。
まずは絵がきれいなので街の風景を見ているだけでも惹き込まれます。写真のような新宿の街並み、雨に濡れた自然や、キラキラしたライトの光。人工物と自然がこんなにも調和している映像はあまり経験がありません。
そして場面が変わったり、時間の経過を表現するたびに流れる音楽。歌詞をゆっくり聞く余裕はなくとも、帆高の気持ちや状況にぴったりと合うフレーズであることがわかります。2回目3回目であれば音楽、特に歌詞に注目してみたいと思えるクオリティでした。
時間としては4年ほどのストーリーなのですが間延びすることなくテンポよく進むのは、この音楽の力が大きいと感じます。(もちろん次々に事件が巻き起こるストーリー展開も素晴らしいです)
隠れキャラを見つける楽しさ
そして今回、遊び心が満載でした。「君の名は」に登場したキャラがたくさん登場するのです。
瀧くん、みつはをはじめ、ところどころに成長した各登場人物がちらちらすると、ちょっとうれしく思います。監督がご自身のキャラを愛していることがわかりますね。
昔からハリウッドでも隠れキャラ的なことはありますし、ヒッチコックは自身がちらっと出演したりしていますよね。物を作る人は誰しも本編とは関係のないところで遊び心を発揮したくなるものなのでしょう。
こうなると新海誠監督の全作品を見直してほかのキャラがいないか確かめたくなりますね。観ている側もちょっと脱線して楽しめる、うれしい仕掛けだと思います。
最後の最後にメッセージが
どんな映画にも一つ大きなメッセージというか、テーマのようなものがあると思いますが、途中までは正直釈然としないメッセージを感じていました。
しかし!最後の最後、帆高が発した言葉が一番のメッセージだとわかると、一気に感動が押し寄せてきました。
この映画は特に10代の方に向けて作られた作品だと思いますが、これから自らの足で人生を歩み、社会を作る側となる人たちにこのメッセージを受け取ってほしい、そんな風に思えるポジティブな言葉です。
この映画の中では異常気象が続き雨が降り続きます。そして主人公である帆高は地元に不満を抱いて飛び出しますし、東京でも様々なことから逃げ回ることになります。ラストまで運命は決して帆高の味方ではありません。
周りの大人はそんな帆高をなぐさめ、一度は帆高もそれらの言葉を受け入れようとしました。その姿は地震や災害が続く日本と、それに耐える人々を象徴しているかのようです。
自分の選択が正しいのか、正しかったのか葛藤し、自分の素直な気持ちさえ押し殺そうとしている少年の姿を、この監督は描きたかったのか…?
そんな状況の中の最後のシーン。ぜひ注目していただきたいです。
「天気の子」は☆☆☆☆★星4つ!
正直なところ、ストーリーとしてはもっと深堀りしてほしい内容ではありました。本来は2時間ちょっとの時間では描き切れない、隠れたエピソードが満載なのではないでしょうか。
例えば帆高の地元でのエピソード(どうして家出したのか)や東京での様子、事件の詳細、東京のその後などなど、(まだ読んでいないのですが)小説なら細かく描いてくれるのではないかと感じます。あるいは続編やスピンオフ的な作品を作るための布石なのかと思えるくらいそれぞれのエピソードはざっくりです。
観る人によってはストーリーが物足りないと感じられるかも~と思いますが、それでもファンタジー映画としてはハラハラドキドキあり、映像も綺麗で申し分ありません。
中高生の葛藤、超常現象との闘いと調和、引き裂かれる運命、そして会えない3年間といった新海誠監督ワールドが満載の作品であると感じますし、それが好きな人なら大好きな作品になると思います。
音楽と映像に包まれたい人は映画館で観るのがお勧めですよ!
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
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